後悔しない就活〜離職率が高い職場の見極め方法〜

隠しているのは高い証拠!?離職率公表の有無で見極められる理由

近年、厚生労働省がブラック企業対策として、企業側に離職率の公表を求めている事はご存知でしょうか。

実際に、大学生と大学院生を採用する企業を対象にハローワークを通して、求人票に過去3年間の離職率を公表する欄が設けられました。

この離職率の公表は、離職率が高いか見極める簡単な方法の1つです。というのも、ここで注目すべきは公表しているか否かという点です。

前回でもお話したとおり、離職率の数値というのは高さや低さだけでは判断できない部分が多少あります。

しかし、公表しているか、いないかという点だけでみると、公表していない企業が疑わしいのは一目瞭然になってきます。

実際に、厚生労働省も離職率の公表はけして強制しているわけではありません。

そんな中、何も問題がなければ普通の企業であるならば離職率は公表するでしょう。

しかし、逆に公表しないのは「公表できないほど離職率が高い可能性があるのでは」と求職者に思われるのは必然的なことになります。

厚生労働省もこの事が、ブラック企業に対して抑止力になるのではと考えているようです。

人間というのは見せても良いと言われているのに隠されていると「何かあるのではないか」と勝手に想像を膨らませてしまう動物です。

しかも、離職率を隠す理由なんて殆どが、「離職の人数が多いことを隠したいから」という結論に大体が結びついてしまいます。

その事から、「離職率の公表を隠している」=「離職率が高い可能性あり」という図式が完成するのです。

しかし、現段階ではこの離職率の公表を不安に思っている意見も多数はあります。

まずは、現在厚生労働省が公表を求めている企業が大学生、大学院生採用の企業に限られている点です。

つまりは、中途採用者向けの求人には要請されていないという不平等な状況になっています。

また、公表はハローワークの求人に限られている点です。

大学や院生の新卒就職活動でハローワークを利用する人は滅多にいないかと思います。

実際、新卒採用の企業は大学の就職部に直接求人を持っていくことが多いでしょう。

そういった、求人にはもちろん離職率の公表は求められていません。

ハローワークはどちらかというと、中途採用者が職場を求める事が多い場所です。

要するに、離職率を公表を求められいる求人票を出す場を企業側が避けられる状況なのです。

また、これを機会に離職率の公表が進むことで酷い企業では離職率を下げるために「辞めたくても辞めさせてもらえない」状況になるのではと不安な意見もあります。

こういった、さまざまな不安が残る離職率の公表ですが、それでも公表されないよりはされた方が良いと思います。

現段階ではまだ不十分な点があります。それでも離職率を公表してない企業は「可能性は高く」逆に出している企業は「可能性が低い」と判断はできます。

そして将来的には、離職率の計算方法の統一や悪質な人事を禁止するよう企業側に求めるなどして、公正な離職率の公表がされていくことが望ましいところです。